総務課の渡邉です。
今月の18日(火曜日)に東京都千代田区の皇居東御苑内にある宮内庁が所管する博物館施設である三の丸尚蔵館に行って来ました。
この美術館は、昭和天皇の死後の1993年に開館し、収蔵点数は現在約9,800点で、国宝や重文指定の貴重な品々が展示されています。
最近では、開館30周年を迎え、全館建替により「皇居三の丸尚蔵館」と名前を変え、国立博物館として再スタートしました。開館記念展では、皇室の名品から国宝や重文指定の有名な傑作、未公開の秘蔵品が展示されており、結構注目を浴びているとのこと。
元々私は美術には疎く、知識もありませんが、興味と関心から結構美術館巡りをしておりましたので、今回の展示に行くことはさほど不思議な行動ではありません。
しかし、タイミングが非常に悪い。皆様もご記憶に残っているかもしれませんが、丁度この日は全国的に大荒れの天気・・・ニュースでは
『今日18日は、低気圧や前線に伴う発達した雨雲が関東甲信にもかかりそう。局地的に激しい雨。通勤通学の時間帯にも雨のピークが重なる予想。土砂災害や低い土地の浸水などに注意・警戒を。』
以上のような天候で、外出を控えるような日だったのです。
しかし、それでも私達家族は大荒れの中を皇居に向かって出発しました。
なぜならば、6月23日(日)で展示が終了してしまうからです。妻は兎も角、私は仕事の関係でどうしても18日を決行日にしなければならなかった・・・
少しでも雨に濡れない為に、皇居東御苑近くのパレスホテルTOKYOの駐車場を利用しました。
皇居入口の大手高麗門は信号を挟んで目の前。とっても近い。
ですが、土砂降りの為、傘をさしていても履いていた靴は即浸水。
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びしょ濡れになりながら荷物検査を受けて、いざ、皇居内へ。
平日の悪天候にもかかわらず多くの人が訪れておりました。日本人は高齢者で、他は外国の観光客。
その雨の中に、とても魅力的な外国人の女性が居たのです。
その美しさは国境を超えてもなお圧倒的な魅力を誇り、その洗練されたスタイルと優雅さには、ただただ感嘆するばかり・・・
私がその女性の姿を視界に入れていた時間は、およそ2秒くらい、いや1秒にも満たなかったかもしれません。
それでも、沈んでいた私のテンションを一気に90%くらいまで引き上げてくれました。本当にありがとうございました。
今回の第4期の展示では、明治以降に皇室に献上された美術工芸品を集中的に取り上げています。特に注目すべき作品には以下のものがあります:
① 国宝《動植綵絵》(伊藤若冲):江戸時代の絵師・伊藤若冲の代表作で、海の生き物や孔雀、鶏の羽などが描かれています
② 国宝《唐獅子図屏風》(狩野永徳と狩野常信):狩野永徳とその曾孫・狩野常信によって描かれた唐獅子の屏風で、初めての展示となります
③ 国宝《春日権現験記絵》:春日大社の創建と霊験を描いた絵巻の一部で、建設の様子が描かれています
④ 並河靖之の《七宝四季花鳥図花瓶》:明治時代の超絶技巧工芸で、特別なライティングのもとで360度の角度で楽しめます
高齢者と外国人で込み合う展示室の中で、個人的に感動した品々を発表させて頂きます。
(1)伊藤若冲 動植綵絵(どうしょくさいえ)
展示時期によって作品は異なり全て鑑賞できた訳ではありませんが、私は《老松孔雀図(ろうしょうくじゃくず)》が 気に入りました。
何が素晴らしいかとは説明できませんが、美しい構図はもちろん、精密な描写。※羽毛まで描き込んでいます。
(2)唐獅子図屏風(からじしずびょうぶ)
この作品がすごく気に入ったという訳ではないのですが、凄い既視感がありました。
それもそのはずで、義務教育時代の教科書に頻繁に登場している程の有名な作品だったのです。みなさんどうでしょうか?見覚えはありますでしょうか??
また、この作品屏風なのですが、とても大きい。当時の人はこんな大きな屏風をどうやって運んでいたのでしょうか。
(3)閑庭鳴鶴・九重ノ庭之図刺繍屏風(かんていめいかく・ここのえのにわのずししゅうびょうぶ)
この作品も屏風ですが、これは絵ではなくて刺繍なのです。写真では分かりづらいですが、刺繍独自の表現により花や鳥が生き生きとした姿で表されていました。
光り輝く刺繍がとても綺麗です。
(4)七宝四季花鳥図花瓶(しっぽうしきかちょうずかびん)
明治天皇の御下命により1900年パリ万国博覧会の出品作として製作され,金牌を受賞したという日本の芸術&技術力を世界に知らしめた凄い花瓶。
真っ黒な下地に四季折々の美しい花鳥が描かれているのですが、私が特に感動したのは、100年以上も前に制作されたにもかかわらず、まるで昨日完成したばかりのような美しさと瑞々しさが印象的でした。素人の私でも凄い作品だと解る一品だと思います。
他にもたくさん素晴らしい作品がありましたので、皇居近くに来られることがございましたら、是非三の丸尚蔵館に行ってみて下さい。想像よりも大きな感動が得られるかと思います。
それではまた